Evelo Biosciences社はモノクローナル微生物と呼ぶクローン化した共生細菌をカプセル化します。例えば同社のEDP1503は腫瘍を抑制化する効果を持つとされるBifidobacterium animalis lactisを用います。 同社のアプローチは小腸とパイエル板、リンパ節の仕組みに着目したもので、カプセルの経口投与で小腸まで届いた共生細菌は樹状細胞によってパイエル板に中に取り込まれ、リンパ節においてT細胞等を活性化し、その細胞がリンパ系を通って疾患のある場所に届けられます。 (Evelo Biosciences, 2020) 同社は菌株系統の豊富なライブラリーを持ち、その中から適切な細菌を分析、選定していきます。そのコンセプトはビッグデータ的発想であり、事実、グーグル社もEvelo社を支援しています。 また同社のEDP1815はCOVID-19向けでも臨床試験が進められています。 References Evelo Biosciences. (2020). Our Science. Retrieved May 22, 2020, from https://evelobio.com/science/ Absen社は深圳に本拠地を置く中国大手LEDパネルメーカーで、大型ディスプレイのソリューションビジネスを多角的に展開しています。展示会でもミニLEDにフォーカスしてディスプレイを展示していますが、その展示のスタイルが洒落ていてディスプレイだけを展示するのではなく、実際の私たちの生活に同社のディスプレイがどのように関わるかまでイメージできるように戦略的にデザインされています。 (Absen, 2020) 大型ディスプレイは例えばバス待合所、空港、地下鉄、駅、ガソリンスタンド、ショッピング街、ビジネス地区、展示センターなどの交通量の多い公共エリアでニーズがあります。圧倒的なクオリティーで見る者の注意を引くことができれば、広告収入の機会も広がります。たとえばバスを待っている時に近くに設置されたサイネージから、ターゲティング広告がリアルタイムで配信されたらデジタル広告の可能性が大きく高まります。5Gは大きなデータ容量を送ることができるようになるので、こうしたインタラクティブなコミュニケーションも期待されています。 (Absen, 2020) Absen社はファーウェイ社がデザインを主導する深圳市のスマートシティプロジェクトにおいて、ディスプレイソリューション部分を担当しています。ファーウェイ社もマイクロLED、ミニLEDだけの枠組みでは目立った動きをしていませんが、スマートシティというもっと大きな枠組みで捉えるとマイクロLED、ミニLEDと関与していることが分かります。 大型ディスプレイのように少人数ではなく大勢で使われることを想定すれば、マイクロLEDないしはミニLEDディスプレイの価格が高くてもビジネスとして成立しやすいと言えます。マイクロLEDディスプレイも大局的に考えると、ツールの一つでしかありません。市場に送り出していくには貪欲に創造力を使って、利益が出せるスキームを考えていくことも重要と言えます。 References Absen. (2020, May 8). Absen Light Box Solution Makes Attractive Advertising Easier. Retrieved May 21, 2020, from https://www.absen.com/about/news/1169.html Absen. (2020, February 17). Highlights of Absen at ISE 2020. Retrieved May 21, 2020, from https://www.absen.com/about/news/1157.html マイクロバイオーム(微生物叢)治療薬市場ですが新型コロナウイルスの影響を受けながらも開発の取り組みは進められています。また自社の戦略をCOVID-19感染症と戦うための開発と位置付け、2020年に臨床試験を開始するPersephone Biosciences社やグーグル社の支援も受けているとされるEvelo Bioscienes社も同社のEDP1815をCOVID-19に適用する開発をスタートさせています。 Source : 沖為工作室合同会社 5月28日(木)10:30~11:30 よりマイクロバイオームグローバルトレンドについて無料Webセミナーを開催いたします。Webセミナーではスタートアップ企業の取り組みをメインに取り上げ、さらに市場規模からシーケンシング、健康食品、マーケティング倫理についてまで、幅広く発表します。セミナーは沖為工作室合同会社のSNSより動画配信されます。SNSでは動画配信を含め、先端技術の市場トレンドについて情報を発信してまいります。この機会に是非弊社SNSの「フォロー」をお願い申し上げます。 中国が5月12日にアナウンスした輸入79品目の追加関税除外についてですが、除外リストにはレアアースや医療用消毒剤などが含まれますが、台湾トレンドフォース社はその中に含まれるUVランプに注目しています。特にUV-C製品は殺菌用途で需要が高まっており、供給量不足も指摘されているのは同社発行調査レポートのプレスリリースでもご報告させて頂いた通りです。 この追加関税除外については様々な見方があります。米国経済は2020年の第二四半期に新型コロナウイルスの影響で大きく落ち込むと見られています。一方で同時期に中国は回復期に入ることが予想されています。沖為工作室ではこの第二四半期において米国と中国の経済規模が最も肉薄すると予想しています。 ロックダウン解除された武漢市では地元の自動車メーカーから電気自動車を購入すると1万元(約$1,400)を補助する意向をショートメッセージで市民に伝えたと報じられています。電気自動車以外にもエアコン等の家電にも補助が出る見込みです。追加関税除外は譲歩と見る一方で、すでに回復期に入った中国経済の余裕とも受け取れることができます。 (湖北日报网, 2020) References 湖北日报网, 1. (2020, May). 武汉市防指提醒:最高一次性补贴10000元. Retrieved May 17, 2020, from http://news.cnhubei.com/content/2020-05/17/content_13051944.html
中国の中健禾美品牌管理(山东)有限公司は米国デュポン社と共同開発したプロバイオティクス固体飲料を2020年4月上市しています。菌原料は米国デュポン社から供給を受けています。中国メディアに掲載されている同社のプロモーション情報によるとデュポン社五大プロバイオティクスであるLPC-37, HNO-19, NCFN, HN001, LR-32とシアル酸が配合されています。 (创商网, 2020) 製品自体のプロバイオティクスの機能性という面ではデュポン社抜きでは語れませんが、中健禾美品牌管理(山东)有限公司の特徴は購入した後の顧客フォローをスマートフォン等のアプリで行っていることです。同社は企業や大学とのアライアンスを含め健康に関する科学的なノウハウを自社のAI的アプローチとリンクさせ、デジタルフィットネスクラブを提供しようとしています。 (中健禾美品牌管理(山东)有限公司, 2020) プロバイオティクス市場においては森永乳業社が先日米国で「ビフィズス菌BB536」を育児用ミルクにも添加できることが認められたことがニュースになりました。健康に関わるテーマは今後さらにニーズが高まると想定されます。 沖為工作室では5月28日にアフターコロナで注目されるテーマの一つである「マイクロバイオーム市場」について、無料Webセミナーを開催します。プロバイオティクスも取り上げる予定です。セミナーは沖為工作室合同会社のSNSより動画配信されます。SNSでは動画配信を含め、先端技術の市場トレンドについて情報を発信してまいります。 弊社コンサルタントは製造業界で様々なプロジェクトの開発および新製品の上市経験があり、市場調査業界では、主にトレンドフォース社、ケリーサイエンティフィックパブリケーション社等の海外市場調査会社のマーケティングを手掛け、業界団体を巻き込んでマーケットの活性化に貢献しました。弊社の情報は長年の経験から得た人脈やリサーチノウハウに支えられており、マーケティング、営業の最前線で常に身体を張って活動をしているので多くの人々と厚い信頼関係を築いています。この機会に是非弊社SNSの「フォロー」をお願い申し上げます。 【イベントご案内ページ】 https://www.chong-wei.com/event.html#/ ※上記(☝)リンク内のページ下方のFollow Usから是非「フォロー」をお願い申し上げます。 References 创商网. (2020, April 10). 膳禾美益生菌新品首发 让我们"益"起精彩. Retrieved May 16, 2020, from http://biz.qsbjm.com/ls/2020/0410/1000179770.html 中健禾美品牌管理(山东)有限公司. Retrieved from http://www.zhongjianhemei.com/Technology アメリカ合衆国経済分析局は直近で2020年第一四半期(1月~3月)の実質GDPは4.8パーセント減になると速報値を出しています。名目GDPは第1四半期は3.5%減の21兆5400億ドル(年間換算:Seasonally adjusted at annual rates)と発表しています (Bureau of Economic Analysis, 2020)。今後さらに悪化していくという見方がありますが、消費に関するアンケート調査では米国の消費者は新型コロナウイルスで支出を抑えることを計画する一方で、自国の経済先行きについてはヨーロッパ等と比較すると楽観的という興味深い調査結果が出ています。また中国、インド、ナイジェリア、インドネシアにおいては、より多くの世帯が支出の増加を計画しており、より楽観的です(Jones ,2020)。 (McKinsey, 2020) テスラ社はアラメダ郡と揉めた末に米国フリーモント工場を強引に再開させました。中国ではモデル3の販売が好調です。直近のテスラ社の資料によると上海工場は現時点で年間20万台の生産能力を想定していますが、中国の2019年の年間NEVの販売台数は約120万台とされているので、現状の生産能力でフル稼働が可能であれば、中国市場の約2割弱のシェア相当を生産できます。 (Tesla, 2020) 現実的にテスラ社のトータル生産台数は四半期ベースで10万台を超えてきており、経営陣としても自社工場を効率的に稼働させることを想定し、上図のように生産能力を整えてきています。 早期経済再開の危険性について議論もされており注視していく必要はありますが、米国経済の行く末に関わる一つの決断がされたと言えます。 ※米国の名目GDPはSeasonally adjusted at annual ratesであることを明記。(2020.05.15) References Bureau of Economic Analysis. (2020, April 29). Gross Domestic Product. Retrieved from https://www.bea.gov/data/gdp/gross-domestic-product Jones, K. (2020, April 22). How COVID-19 Consumer Spending is Impacting Industries. Retrieved May 14, 2020, from https://www.visualcapitalist.com/consumer-spending-impacting-industries/ McKinsey. (2020). Optimism about country's economic recovery after COVID-19. Tesla. (2020, April 2). Q1 2020 Update. Retrieved from https://ir.tesla.com/investor-relations 台湾のメディアがApple社とマイクロLED、ミニLEDのニュースを出し、話題になっています。Apple社とマイクロLED関連のニュースは当のApple社からの正式アナウンスがなく、噂に近い部分もありますが、桃園龍潭区に新工場を建設する計画の認可を地元当局から取得したのは事実のようです。 一方でApple社は先日、第二四半期(1月~3月)の財務速報をプレスリリースで発表しています。売上高は約3億ドル増の約583億1300万ドルでしたが、純利益は約3億ドル減の約112億4900万ドルとなっています。COVID-19の影響で製品売り上げは落としましたが、人々が自宅で過ごす時間が長くなった等の理由でコンテンツ配信等のサービスは過去最高を記録しています。 (Apple, 2020) マイクロLED全体について言うと年々技術的に発展はしていますが、コスト的にはまだ市場を大きくペネトレイトするレベルにまでは至っていないと見られています。Apple社のカテゴリー別の売り上げを見てもiPhone, Mac, iPadは苦戦しており、これらの製品にマイクロLEDを投入するリスクは現時点で大分高いと言わざるを得ません。ミニLEDは既存の技術、設備の応用ができ、サプライヤーの動きが活発している中、いよいよの投入が期待されていましたが、新型コロナウイルスの影響で投入タイミングが遅れる可能性が高まっています。 (Apple, 2020) 一方で特筆すべきは、ウェアラブル系は順調に売り上げが増えていることで、製品の柱となりえる可能性を秘めています。マイクロLEDディスプレイ自体はすでに市場は存在しており、アプリケーションとして広がっていくかはコストと消費者ニーズの折り合い次第ですが、AR等のウェアラブルは5Gにおいて大きく市場が増えていくことが予想されています。5Gとの相関の中でApple社がウェアラブルを中心軸として展開するタイミングがマイクロLEDの投入タイミングに一番近いかもしれません。 References Apple. (2020, May 11). Apple Reports Second Quarter Results. Retrieved May 12, 2020, from https://www.apple.com/newsroom/2020/04/apple-reports-second-quarter-results/ 関連製品 https://www.chong-wei.com/store/p1/microled-market-trend.html#/ ※上記は既刊のものです。数か月後により広範なマイクロLED情報をまとめた書籍が発行される予定です。 ファーウェイ社はすでに中国国内においては5G基地局のシェアの半分以上を持っているとされています。ファーウェイ社の勢いを止めるために同社を排除しようとする動きがありますが、少なくとも巨大な中国市場では逆にファーウェイ社への支持が高まっています。元軍人である創業者のバックグラウンドがフィーチャーされますが、事実は軍人職を失い、その後務めていた企業からもお払い箱になり、生きていくために会社を起こした起業家であり、排除はかえって同社の支持者を増やす結果になります。 ファーウェイ社は単純な5Gの枠組みを超え、社会インフラに関わるデジタルプラットフォームを形成しようとしています。GAFAがツールとしての利便性を持って覇権を取ったのに対し、ファーウェイ社はツールそのものの前提条件である通信インフラからイノベーションを起こそうとしています。
中国が推し進めるスマートシティープロジェクトにもファーウェイ社は積極的に関与しています。同社のデジタルプラットフォームが浸透していけば、GAFAとは比べ物にならない巨大なプラットフォームエコシステムが成立する可能性があります。同社の過度な独走が経済全体のエコシステムとしてはディスバイオシス(不調和)因子であることは事実です。ただそれを排除するのではなく、同社のイノベーションの本質を見極め、各企業がフェアに競争できる環境作りに目を向ける必要があります。 関連レポート https://www.chong-wei.com/store/p8/5g-china-market-trend.html#/ |
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