中国の2020年5月の新車の販売台数は、前年同期比で言うと14.5%増となりました。地方政府の支援策等の効果が出たと考えられています。一方で新エネルギー車(NEV)を取り上げると、前年同期比で23.5%減となっており、2019年7月に補助金削減の影響でそれまでの継続成長から前年同期比減となって以降、失速感が否めないのが現状です。 (中国工业和信息化部, 2020) このような状況の中、中国EVメーカーにおいて、脱コバルトの動きが見え始めています。中国SVOLT社(蜂巢能源)がコバルトフリーバッテリーについて発表したのは以前、取り上げましたが、CATL社もコバルトフリーバッテリーの開発をしており、テスラ社と搭載に向けて協議していると見られています。 中国の乗用車用EVバッテリーはニッケル、コバルト、マンガンで構成する「三元系」と呼ぶタイプが主流でしたが、コバルトはその多くの生産が政情が不安定なコンゴ民主共和国でなされており、価格の高騰リスクがあります。またコバルトは危険な労働環境下での児童労働が常態化している問題もあり、大局的に取り組んでいかなければならない課題でもあります。 中国EV市場は巨大マーケットとしてのポテンシャルがある一方で政策面に大きく依存して成長してきたことが顕著になってきています。中国バッテリーメーカーはコストダウンに取り組む一方で、海外、特に欧州市場に販路を見出そうとしています。すでに建設が開始しているドイツThuringiaのCATL社工場は2022年までに完成予定となっています。 (Hayes, 2019) References Hayes, M. (2019, October 21). German plant for Chinese battery maker. Retrieved June 14, 2020, from https://www.khl.com/construction-europe/german-plant-for-chinese-battery-maker/140743.article
工业和信息化部. (2020, June 11 ). 2020年5月汽车工业经济运行情况 コメントの受け付けは終了しました。
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