中国EVバッテリー市場はミリオンマイルバッテリーやコバルトフリー、四元系材料、LFPの再注目等で新たな局面を迎えています。一方で発熱問題や大容量化の課題を乗り越えるために、バッテリー材料で援用される化学技術は複雑化しており、留まることを知りません。ただそうした発展とは別に、変わらず普遍的な問いかけがあり、それはEV市場が将来的に引き起こす廃棄バッテリーの問題です。 (Cunningham, 2017) バッテリーはEVコストの多くを占めています。構成している金属は一般的にリチウム、コバルト、ニッケル、銅、アルミ、鉄が含まれています。金属以外も含めると成分は多種多様であり、リサイクルをするには分解していく作業が必要となり、廃棄バッテリーは劣化しているが故に危険も伴います。実際に2021年1月にもリサイクル事業を手掛けるCATL社傘下の湖南邦普循環科技(湖南省長沙市)の工場で爆発が発生しており、安全性への対策が急務となっています。 中国NEV用電池のリサイクル・リユース業界のコンセンサスは、リン酸鉄リチウム電池がカスケード利用に適している一方で、三元系バッテリーがニッケル、コバルト、マンガンなどのレアメタルの含有量が高く、リサイクル価値が高いということです。現状の三元系電池は安全性に一定のリスクがあることもエネルギー貯蔵発電所等での二次利用が躊躇われている要因となっています。 車載バッテリーは、一般論として7〜10年使用すれば蓄電容量が低下し、交換が必要になるとされています。2020年に走っている自動車であれば、2030年前後にバッテリー交換時期にさしかかります。そのときまでにリサイクル&リユース体制の構築が求められます。 References (Picture) Cunningham, W. (2017). For dead EV batteries, reuse comes before recycle. Retrieved from https://www.cnet.com/roadshow/news/for-dead-ev-batteries-reuse-comes-before-recycle/
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8月 2024
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