マイクロバイオーム(微生物叢)治療薬市場にとって2020年は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)によるパンデミックが発生する前までは、重要な一年になると考えられていました。特に再発性クロストリジウムディフィシル感染症に対する微生物叢ベースの製品に対する臨床試験がPhase II ないしはIIIまで進んでいるものもあり、Seres Therapeutics社やVedanta Biosciences社、Enterome社、Rebiotix社などの結果が待たれていました。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックは臨床試験そのものを遅らせ、何より投資家たちの活動が停滞しており、開発の継続性に関わるリスクも高まっています。
こうした背景がある中、Persephone Biosciences社は自社の戦略をCOVID-19感染症と戦うための開発と位置付け、強力な免疫応答を可能にする製品の投入を目指し、2020年に臨床試験を開始します。同社が推し進めるマイクロバイオーム治療薬は免疫システムの強化をターゲットとして開発され、季節性インフルエンザや将来のパンデミックとして懸念される他のウイルス用途にも使用できる可能性があります。 Persephone Biosciences社は、独自のDecode.Design.Cure®テクノロジープラットフォームを持ち、腸内マイクロバイオームが人間の免疫システムにどのように影響するかを独自のアプローチで研究を進めています。Poop For TheCure®キャンペーンを通じて数千人の患者から腸のマイクロバイオーム(便)サンプルを収集して分析し、人工知能と次世代ゲノムシーケンス技術を組み合わせて、新しいマイクロバイオームの治療法と診断法を開発しています。 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)と患者のマイクロバイオームの状態との相関関係が指摘され始めています。ヘルスケアに対する関心はCOVID-19のパンデミック前も大きなトレンドとしてありましたが、より一層、ヘルスケアもしくは健康が重要視されてくる時代がやってくることが考えられます。 沖為工作室合同会社ではマイクロバイオームを将来実用化が期待される有望なエマージングテクノロジーとしてレポートを発行しています。 https://www.chong-wei.com/store/p3/microbiome-market-trend.html#/ コメントの受け付けは終了しました。
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10月 2024
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