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腸内細菌叢移植とマイクロバイオーム市場が目指しているもの。

4/25/2020

 
マイクロバイオームの治療にFMTがあります。Fecal Microbiota Transplantationの略で腸内細菌叢移植を意味し、再発性クロストリジウム・ディフィシル感染症等に対し、治療法として確立しようとしている技術の一つです。マイクロバイオーム市場はスタートアップ企業の技術力が原動力となり、活発化していますが、こうした加速していく市場の中で2019年に米国で健常者の便を患者に投与する作業を含む治験で死者が出て、米食品医薬品局(FDA)が警告を発したという事件が起きています。 従来からも糞便微生物叢移植(FMT)便は一定の効果が確認はされてはいますが、悪性の菌を移植してしまう恐れも指摘されていました。
 
健康のメカニズムがまだすべて解明しない中で、便を採取、保存し、それが特定の患者に適した害のない、有益な便として、医療として使うことは、かなり難しい課題であると考えられます。ただ再生医療市場で細胞バンクの取り組みが進んだように、マイクロバイオーム市場においても便バンクの取り組みが始まっています。この取り組みがフォーカスされているのは、FMTの有効性の議論が進められる一方で、健常な便の公平な分配スキームも求められるようになっているからです(Cammarota, 2019)。
​

stool bank image
("OpenBiome")

​また治療法としてのFMTも単純に便を移植するというものではなく、統合的な観点から各々の患者に合わせたアプローチが求められます。一例として、学術誌に発表された論文からFMTのプロセスをご紹介します。このケースレポートでは、69歳の女性が、彼女の表現するところによると、ひどい臭いを放つ下痢で一日多くて10回の排便があるとして来院します。彼女は来院する前に骨髄異形成症候群(MDS)と診断されており、免疫力が著しく低下しています。また再発性クロストリジウム・ディフィシル感染症の病歴もあり、メトロニダゾールとバンコマイシンで治療していました。このケースレポートの初期の治療ではこの過去の治療法(メトロニダゾールとバンコマイシン)を踏襲しますが、改善の兆しが見えません。そこで最後の手段として七日目にFMTが行われます。結果としてFMTは無事に終わり、その後、電話や診察によるフォローアップが行われます。
​
fmt process image
(AlQahtani, Baloch, Tabb, & Carlo, 2020)

​ただこのプロセスは単純化したものであり、実際にFMTを用いる際は多くの観点から議論される必要があります。投与方法や量、導入回数、最適なドナーの選定方法なども含め、各患者に合ったものを考える必要があります。
 
多様性が全体としてのエコシステムを健全に保つのと同時に、その多様性の中に発生する「個別化」された要望に応えていくソリューションをマイクロバイオーム市場は目指していると言えますし、デジタル化が進んだ私たちの未来の一つの在り方でもあると考えられます。

​References

AlQahtani, H., Baloch, S., & Tabb, D. (2020). Treatment of Recurrent Clostridium difficile Infection in an Immunocompromised Patient with Severe Neutropenia Not Responding to Standard Therapy. Case Reports in Infectious Diseases, 2020. doi: https://doi.org/10.1155/2020/3089023

Cammarota, G., Ianiro, G., Kelly, C. R., Mullish, B. H., Allegretti, J. R., Kassam, Z., Putignani, L., Fischer, M., Keller, J. J., Costello, S. P., Sokol, H., Kump, P., Satokari, R., Kahn, S. A., Kao, D., Arkkila, P., Kuijper, E. J., Vehreschild, M., Pintus, C., Lopetuso, L., … Gasbarrini, A. (2019). International consensus conference on stool banking for faecal microbiota transplantation in clinical practice. Gut, 68(12), 2111–2121. https://doi.org/10.1136/gutjnl-2019-319548

​OpenBiome. (n.d.). Retrieved April 25, 2020, from https://www.openbiome.org/

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