特許日2020年9月15日として公開されているアップル社のマイクロLEDに関連する特許がメディアで取り上げられ、話題になっています。特許にはリストバンド式のウェアラブル(フィットネスバンド)の図もあり、アップルウォッチ等の採用が注目されていますが、本特許自体はアプリケーションとしてはフィットネスバンド、スマートフォン、ノートブック等が想定されています。また当特許は実装の先の過電圧対策についてのもので、ピクセルコントロール(μLED)とマイクロドライバー、タイミングコントロール等を含めたシステム設計について広範囲な議論がされています。 ( Apple, 2020) 一方で日本国内でもApple Watchについて特筆すべきニュースがありました。医療品医療機器総合機構 (PMDA)が2020年9月4日付で、「家庭用心電計プログラム」(承認・認証番号:30200BZI00020000)と「家庭用心拍数モニタプログラム」(承認・認証番号:30200BZI00021000)を医療機器承認・認証しました(クラスII)。当承認により、デバイスとアプリ(プログラム)を通じ、心電図を表示したり心拍数をチェックしたりすることができます。Apple社がどこまでこの市場に本腰を入れてくるかは不明ですが、昨今の環境変化により健康に対する関心が今まで以上に高まっているのと、身体もしくは健康に対するビッグデータを有効なアルゴリズムによって、評価していくことは現在進行形のトレンドでもあり、注目が高まります。 References Apple. (2020) . Electronic Display Emission Scanning.
現在準備が進められているLeyard社のマイクロLED量産設備が10月に稼働開始します。生産能力としては2022年までに自発光モジュールが月産1,600,000,000セット、バックライトモジュールが月産20,000セットのレベルに達すると予想されています。同社はLEDエピウェハー大手の台湾Epistar(晶電)と提携しており、生産は共同で出資した利晶微电子社が行います。 報じられた内容によると歩留まりは98.9%、マストランスファーの速度は1000〜1500個/秒に達しているとされています。同社は自発光型のマイクロLEDディスプレイだけでなく、バックライト用のマイクロLEDも視野に入れており、10月に生産されるバックライト製品はノートブック等が含まれると報じられています(中国之光网, 2020)。 マイクロLEDを取り巻く環境は急スピードで変化しています。 なお弊社では台湾トレンドフォース社主催の「マイクロLEDフォーラム 2020」ウェビナーのご参加お申込み用ウェブサイトを大幅リニューアルいたしました。「マイクロLEDフォーラム2020」は今年で第4回目となり、マイクロLEDコンソーシアムCIMSも後援する一大イベントで、絶賛、お申込み受付中です。VerLASE社、Veeco社、ALLOS Semiconductors社など11名の講師陣が集結しています。講演資料はご視聴後にダウンロードできます。お申込みの締め切りは2020年10月30日の午前中までとさせて頂きます。詳細はこちらまで。 References 中国之光网. (2020). 利亚德:全球MicroLED最小尺寸40寸2k显示产品实现量产
中国成都市の電子情報産業チェーン現代化プロジェクトに関しおよそ254億人民元の投資が行われることが決定され、北京で調印式が行われました。 (四川新闻网, 2020) このプロジェクトにはハイエンドサーバーや半導体、パッケージングに関連する分野と併せて新世代ディスプレイ技術であるマイクロLEDも含まれています。具体的にはVisionox社 (维信诺)がマイクロLEDディスプレイデバイスとモジュールのテストラインとパイロットラインを建設し、マストランスファー、駆動、検査、チップ設計、色技術などの主要な技術の研究開発と生産を行うことが報じられています。 References 四川新闻网. (2020, August 27). 总投资254亿元 成都高新区集中签约多个电子信息产业链现代化攻坚重大项目. Visionox社 (维信诺)については弊社執筆書籍でも取り上げさて頂きました。 なお沖為工作室合同会社では台湾トレンドフォース社主催の「マイクロLEDフォーラム 2020」Webセミナーのご参加お申込みを開始いたしております。新型コロナウイルス(COVID-19)は多くの企業にビジネス戦略の転換を迫っており、投資活動の見直しが余儀なくされています。しかしながらマイクロLEDを取り巻く環境は停滞どころか、多くの企業が将来のコア技術として開発を推し進めようとしています。台湾トレンドフォース社が主催するWebinar「マイクロLEDフォーラム 2020」では、オンラインセミナー形式でマイクロLEDスタートアップの技術開発の進捗状況等について発表がなされます。
イベント詳細は☟ https://www.chong-wei.com/microled.html#/ 沖為工作室合同会社では台湾トレンドフォース社主催の「マイクロLEDフォーラム 2020」Webセミナーのご参加お申込みを開始いたしております。新型コロナウイルス(COVID-19)は多くの企業にビジネス戦略の転換を迫っており、投資活動の見直しが余儀なくされています。しかしながらマイクロLEDを取り巻く環境は停滞どころか、多くの企業が将来のコア技術として開発を推し進めようとしています。台湾トレンドフォース社が主催するWebinar「マイクロLEDフォーラム 2020」では、オンラインセミナー形式でマイクロLEDスタートアップの技術開発の進捗状況等について発表がなされます。 昨年のマイクロLEDフォーラムプログラムと比べてみると今年は半導体製造に関わる企業が多く出ていることが分かります。後半に講演するVeeco社、ALLOS Semiconductors社は半導体装置業界では著名な存在です。マイクロLED開発には以前より携わっており、2019年には両社の提携も報じられています。マイクロLEDの開発は進化していく一方でLED材料に関わるコストにも繋がる発光波長のばらつきであったり、高温度下での発光効率の悪化であったりと、ウェーハレベルから統合的に課題を解決していく必要があります。こうした視点から両社がどのような発表をするのか注目されます。 その他、3番目に講演する英国のOxford Instruments社はプラズマエッチング、蒸着技術をマイクロLEDに援用します。その技術は台湾のITRIのマイクロLEDにも採用されています。4番目に講演するVerLASE社は新しいマストランスファー技術について発表します。フォトメカニカルアクチュエーション(PMA)と呼ぶマスキング技術と化学技術が融合したアプローチで選択的にダイをピックアンドプレースしていきます。 5番目に講演するiBeam Materials社は金属箔に直接マイクロLEDを形成させる手法を開発しています。同社にはあのSamsung社も投資していると報じられています。6番目に講演するVueReal社はカナダのスタートアップ企業で、マイクロLEDに印刷技術を持ち込みます。ARとともに自動運転時代の透明ディスプレイにも着目する同社CEOはかつてOLEDの開発を経験しています。 7番目に講演するSiTanTechnology社はZhaojun Liu博士が率いる中国の企業です。Zhaojun Liu博士は古くからマイクロLEDの研究をしており、AR/VRやウェアラブル等に関心があります。自らのスタートアップの紹介も交え、開発状況が発表されます。また韓国のKIMMは2年前のマイクロLEDフォーラムでも登壇しています。Roll-to-plate実装技術について発表がされる予定です。また最後のHCP Technology社は中国の企業で主に、ミニLEDバックライトやマイクロLEDのマストランスファー技術の研究開発、製造、販売を行っています。ディスプレイ市場の概観からミニLED、マストランスファー技術について発表がされる予定です。 旬なトピックが盛り込まれたこのウェビナー「マイクロLEDフォーラム 2020」の聴講料は220ドルでパートナー提携している弊社にお申込み頂けると同価格かつ日本円で決済させて頂きます。マイクロLEDについては弊社でも書籍を執筆しており、継続的にフォローもさせて頂きたいとも考えております。 ウェビナーの詳細は☟リンクをご参照下さい。 https://www.chong-wei.com/microled.html#/ R&D支援センター社主催で「マイクロLED、ミニLED最新動向」と題したセミナーで講演することが決まりましたのでご報告申し上げます。少し前まで韓国、台湾プレイヤーを中心に活気づいていたマイクロLED市場に中国プレイヤーが数多く参入してきています。事実、中国パネルメーカーは自社の成長戦略にすでにマイクロLEDを組み込んでいます。 新型コロナウイルス(COVID-19)により、多くの企業が投資活動の見直しを余儀なくされていますが、マイクロLEDを取り巻く環境は停滞どころか、将来のコア技術として開発を推し進めようとする会社が目立ちます。講演者はかつて海外調査会社の調査レポートの代理販売などを通じて、マイクロLED分野の情報収集ならびに、アナリストや日本・台湾の技術者と情報交換を行ってきた過去があります。 このセミナーではマイクロLEDを取り巻く最新のマーケットトレンドはもちろんのこと、ディスプレイの領域に限らず、幅広い視点からマイクロLEDの可能性について発表する予定です。 2020年10月28日(水)13:00~16:00 主催 (株)R&D支援センター 問い合わせは☟主催者殿のホームページをご参照下さい。 http://www.rdsc.co.jp/seminar/201079 開催場所 【WEB限定セミナー】※在宅、会社にいながらセミナーを受けられます 価格 非会員: 49,500円(税込) 会員: 46,200円(税込) 学生: 49,500円(税込) 【プログラム】 1.マイクロLED、ミニLED市場概観 1.1 最新市場動向 1.2 関連企業の動向、アライアンスの現状 1.3 中国、韓国、台湾プレイヤーアップデート 2.マイクロLED、ミニLED 技術トレンド 2.1 マストランスファー 2.2 モノリシック、色変換等 2.3 マスインスペクション 2.4 マスリペア 3.マイクロLED、ミニLED アプリケーション別トレンド 3.1 デジタルディスプレイ 3.2 TV 3.3 AR/VR 3.4 タブレット、ノートPC 3.5 スマートフォン 3.6 自動車 4.マイクロLED、ミニLEDの将来展望 4.1 市場規模予想 4.2 競争環境分析 4.3 デジタルエクスペリエンスとマイクロLED 本日、サイエンス&テクノロジー社より「マイクロLED 市場・技術トレンド」発売されます。すでに多くの予約注文頂きありがとうございます。深く御礼申し上げます。これからご購入を検討されるお客様、著者割引適用のご注文用紙がございますので、ご入用の際は、弊社沖為工作室までご連絡下さい。また出版社サイトよりサンプルも少しご覧頂けるようになっておりますので、引き続き宜しくお願い申し上げます。 https://www.science-t.com/book/M066.html 著者割引適用専門フォーム入手先
沖為工作室合同会社 support@chong-wei.com 050-4560-2377 7/22~7/24に上海で開催されていたDIC EXPO 2020において天马微电子社が7.56インチのマイクロLEDディスプレイを展示しました。透過率60%を超える同透明ディスプレイは、以前よりアライアンスを組んでいるPlayNitride社の技術を採用しており、解像度等も2019年SID等で展示したものと同じで解像度720x480 (114PPI)で、アクティブマトリックスマイクロLEDディスプレイとなっています。 (天马微电子& 中国半导体照明网, 2020) なお天马微电子社は先日、スマートフォン液晶ディスプレイ用にマルチポイント指紋認識技術(TED FingerPrint)を開発したとも報じられています。スクリーンのガラス全体に指紋スキャナーが実装され、タッチ応答、ディスプレイ表示、指紋センシングの機能を同時に実現できるとしています。複数の指紋を同時に検出でき、モジュールの厚みも大幅に薄くすることが可能になったとされています(证券之星, 2020)。 スマートフォン市場全体としては出荷台数が将来的には減っていくとする予測も出ている一方、多機能を小型デバイスに集約したり、フレキシブルにしたりと、ユーザーエクスペリエンスを高める開発が進められています。 (Pramanik, Pal, & Choudhury, 2019) References 天马微电子 & 中国半导体照明网. (2020, July 23). 天马微电子携手錼创推出7.56英寸Micro LED显示屏. Retrieved from http://www.china-led.net/news/202007/23/45616.html 证券之星. (2020, July 21). 深天马A(000050):LCD屏内指纹方案发布 持续引领行业发展. Pramanik, P. K., Pal, S., & Choudhury, P. (2019). Green and Sustainable High-Performance Computing through Smartphone Crowd Computing. Scalable Computing: Practice and Experience, 20(2), 259-284. doi:10.12694/scpe.v20i2.1517 これまでマイクロLEDについては特に中国や台湾プレーヤーを中心にお伝えしてきました。2020年に起きた注目すべき出来事として、ファイスブック社とPlessey Semiconductor社がAR/VRの領域で提携するという話題もありました。フェイスブック社はすでにOculus社も傘下におさめており、方向性に注目が集まります。その他にも注目すべき提携もあり、7月3日に弊社サイトにアップロードするセミナー動画でも詳しくお話しする予定です。動画はこちらのNEWS AND VIEWSにアップロードする予定で、誰でもご覧になれます。 また書籍「マイクロLED市場・技術トレンド」がサイエンス&テクノロジー社より7月30日に発行されます。マイクロLEDなんか来るわけがない、そう言われたマイクロLEDトレンドの初期から関わってきた者として、もしくは、どうしてもこのエマージングテクノロジーを市場に送り出したいという開発者の熱い思いに影響を受け、執筆いたしたものです。7月30日発売予定ですでに予約販売を開始しています。 ☟の過去記事もご参照下さい。 書籍「マイクロLED市場・技術トレンド」、予約販売開始。 ☟は現在最終編集段階の目次です。 はじめに Chapter 1 マイクロLED市場トレンド(アプリケーション・市場規模) 1. マイクロLEDトレンド概観 1.1 韓国ディスプレイメーカの動向 1.2 中国・台湾企業の動向 1.3 5GとマイクロLED 1.4 マイクロLEDを取り巻く企業間パートナーシップ提携の動向 1.5 マイクロLEDとスタートアップ企業 2. マイクロLEDの定義と市場規模・アプリケーション 2.1 マイクロLEDとAugment Reality(拡張現実) 2.2 AR以外のマイクロディスプレイ 2.3 マイクロLEDとVirtual Reality(仮想現実) 2.4 マイクロLEDとTV 2.5 マイクロLEDと光通信 3. ミニLEDの動向 Chapter 2 マイクロLED技術概要および動向 1.マストランスファー方式の概要 1.1 ピックアンドプレース方式 1.2 ウエハー貼り合わせ方式 1.3 マストランスファー方式の比較 1.4 その他の方式 1.4.1 レーザートランスファー方式 1.4.2 流体整列技術 1.4.3 ロールを用いた手法 2. マスボンダー設備 3. ピックアンドプレースの前工程 3.1 発光波長のばらつき対策技術 3.2 色変換技術(QD) 3.3 色変換技術(量子井戸、Quantum Photonic Imager) 4. マイクロLEDのコストに関する考察 5. ヘッドもしくはスタンプにおける課題 6. 不良品検知とマスリペアー技術 7. 検査技術 8. 駆動方法 Chapter3 プレーヤー、サプライチェーン動向 1. マイクロLEDのサプライチェーン概要 2. ミニLEDのサプライチェーン概要 3. 2020年展示会サマリー 3.1 CES2020 3.1.1 CES2020での各社の展示 3.2 新型コロナウイルスとIntegrated Systems Europe (ISE) 2020で 展示されたマイクロLED/ミニLED Chapter 4 The 3rd China International Micro-LED Display Summit報告 1. Mikro Mesa社の発表 2. 恐るべきスタートアップ、PlayNitride社 3. TFT技術を深めるPANDA社 4. eLux社 5. AUO社 6. Chipone Technology社 7. Innoscience社 8. TrendForce社(調査会社) 9. Refond社 おわりに ・5Gで攻勢を強める中国 ・マイクロLEDと自動運転 ・5Gにおけるディスプレイの重要性 ・中国とマイクロLED ・AR・VRグラスの使用感の課題とマイクロLED ・エマージングテクノロジーの向こう側へ ※現在編集中のため、目次は一部変更となる場合がございます。 2020年の全国人民代表大会と中国人民政治協商会議の期間中、康佳グループの236インチMicro LED ディスプレイが使用されました。新華社が会議の生放送を行うために5Gネットワークとともに使用され、北京に置かれた放送センターからの信号は漠河、喀什、三亚、威海エリアまでカバーしたとされます。 (天极网络, 2020) AI, 5G, and IoTなどを含めた先進技術が生活様式を変えようとしている中、情報を表示するディスプレイの役割は重要性を増していきます。康佳グループは日本ではあまり知られていませんが、深圳市に本社がある中国では有名な家電メーカーです。早くから技術開発に力を入れており、米国のシリコンバレーにも研究開発拠点を置いています。マイクロLEDの研究開発に多額の投資する計画も発表しており、今後動向が注目される企業の一つです。 References 天极网络. (2020, May 22). 康佳受邀新华社客户端5G+8K两会直播. Retrieved June 23, 2020, from http://dh.yesky.com/353/707558353.shtml |
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