Seres Therapeutics社が2020年第一四半期財務状況の速報を報告しています。約1990万米ドルの損失が出てますが、前年度同期比が約2430万米ドルの損失でしたので、損失規模は約440万ドル縮小しています。COVID-19による影響については、精査中とありますが、「forward-looking statements」ではこのCOVID-19による影響を一つのリスクファクターとして今回挙げています。糞便移植(FMT)による感染リスクについても触れられており、経口投与型の同社のSER-109は糞便移植(FMT)とは違うことと、製品自体はGMP(Good Manufacturing Practice)に基づき、品質管理等が取られていることがアピールされ、同社もCOVID-19に関連し、説明対応に追われていたことが想像できます。 (Seres Therapeutics Reports First Quarter 2020 Financial Results and Provides Business Updates 2020) 財務状況については、損失規模は縮小されていますが、事業経費も削減されています。現金資産も減らしているので、財務的には厳しい状況に変わりはなく、SER-109臨床試験結果の良い知らせが待たれるところです。 References Seres Therapeutics Reports First Quarter 2020 Financial Results and Provides Business Updates. (2020, May 07). Retrieved May 08, 2020, from http://ir.serestherapeutics.com/news-releases/news-release-details/seres-therapeutics-reports-first-quarter-2020-financial-results 米国Curebase社は、自宅でCOVID-19臨床試験を受けるための専用プラットフォームとなるCURE-19の提供を開始しました。 米国内の患者であれば、CURE-19を介して自宅から参加できます。また参加を通じて、無料でゲノムおよびマイクロバイオーム検査を受けられる他、ギフトカード等の特典もついてきます。 (Curebase, 2020) このスキームには先日、自社の戦略をCOVID-19感染症と戦うための開発と位置付け、 強力な免疫応答を可能にする製品の投入を目指し、 年内に臨床試験を開始するPersephone Biosciences社も参加しています。 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックは臨床試験そのものを遅らせ、 何より投資家たちの活動が停滞しており、 開発の継続性に関わるリスクも高まっています。こうした背景がある中、開発の追い風になることが期待されます。 弊社沖為工作室ではアフターコロナ―で注目される市場としてマイクロバイオーム市場を取り上げ無料でWebセミナーを開催いたします。セミナーでスタートアップ企業の取り組みをメインに取り上げ、 さらに市場規模からシーケンシング、 健康食品、 マーケティング倫理についてまで、 幅広く発表します。 セミナーは沖為工作室合同会社のSNSより動画配信されます。 SNSでは動画配信を含め、 先端技術の市場トレンドについて情報を発信してまいります。この機会に是非弊社SNSの「フォロー」をお願い申し上げます。 【イベントご案内ページ】 https://www.chong-wei.com/event.html#/ ※上記(☝)リンク内のページ下方のFollow Usから是非「フォロー」をお願い申し上げます。 References Curebase. (2020). At Home COVID-19 Clinical Trials Platform. Retrieved from https://www.cure19.org/
AUO社(AU Optronics) とPlayNitride社が9.4インチの高解像度フレキシブルマイクロLEDディスプレイを先日のAUO社のプレスリリースで発表しています。基板にLTPS TFT駆動バックプレーンを採用したもので、228 PPIの超高ピクセル密度を達成しています。 (AU Optronics Corp, 2020) フレキシブルマイクロLEDディスプレイで言えば、PlayNitride社は、2019年のSIDでポリイミドを使った透明フレキシブルディスプレイを展示しており、話題になっていました。 PlayNitride社はサムスン社とのアライアンスを含め、複数のアライアンスを組み、マイクロLEDの開発を多角的に進めています。1社だけへの供給に拘らない勇敢な戦略は極めて現代的なスタートアップ企業の在り方と言えます。 2014年に設立されたPlayNitride社は、CEOのYun-Li Li博士が未来を形作る技術を可能にすることに情熱を持って、経験豊富な仲間を集め、創業したと伝えられています。ビジョンは明確で「世界を変えること」です。こうしたスタートアップ企業が強い理由の一つにビジョンが明確で共有されていることがあります。 昨年末に南京で開催されたThe 3rd China International Micro-LED Display Summitでは、マスリペアー技術についての興味深い発表もありました。このフォーラムの内容も含めたマイクロLEDの最新情報は数か月後に発行される書籍に詳しく書かせて頂く予定です。マイクロLEDなんか来るわけがない、そう言われたマイクロLEDトレンドの初期から関わってきた者として、もしくは、どうしてもこのエマージングテクノロジーを市場に送り出したいという開発者の熱い思いに影響を受け、執筆したので、ぜひ、ご関心のある方は継続してフォロー頂けると幸いです。 References AU Optronics Corp. (2020, April 17). Retrieved from https://www.auo.com/en-global/New_Archive/detail/News_Archive_Technology_20200421 中国武漢市が「封鎖解除」され、中国市民の生活は日常に戻りつつあります。中国にいる友人もすでに仕事に戻り、例えばレストラン等では間隔を置いて食事をする等のことは継続して行われているそうです。新型コロナウイルスの対応では批判する声も他の国から上がっていますが、国家レベルで優れた指揮を執ったと言える政府は今回の事象に関して言うとごく僅かであるのも事実です。 新型コロナウイルスは新型であるがゆえに、根本的にその専門家は存在しません。過去の経験だけに頼っていると、変化する環境に適応できなくなります。すでにソフトウェア開発等でスタンダードとなっているアジャイル開発は、チームを小規模化し、顧客のフィードバックに応じて柔軟に対応することで、なによりクリエイティブなチーム作りが必須となります。BGI社はアウトブレイクの最中に、武漢市に研究所を設立して、研究者を送り込み、スタッフが24時間体制で諸々の検査をできる環境を作りました。日本にも新型コロナウイルス検査キットを寄贈しています。 主題の中国5G市場については新型コロナウイルス(COVID-19)の影響で基地局建設の入札案件が一部延期になったりしている一方で、中国移動の研究機関は2020年としての5G基地局計画は現時点で変更はないとしています。台湾、韓国もすでに新型コロナウイルスの封じ込めに成功しており、経済の持続的成長を見据えて動き出しています。 ここに沖為工作室が予測している中国5G基地局の予測を記載いたします。 China 5G Base Station Market (Million USD)Source : 沖為工作室 沖為工作室では中国の5G基地局市場は2023年にピークを迎え、2025年には3428億米ドルになり、グローバル市場の約39%を占めると予測しています。 弊社の「中国5Gの最新市場動向 」ースマートシティの震源地では、中国の5G市場トレンドについてまとめられています。スライド風PDFで約30枚です。5Gで使われる部品(アンテナなど)の特性やサプライチェーンについても調べています。また5G基地局のアプリケーション別の市場規模予測も行っています。特別価格5,000円で販売中です。 【本件に関するお問合せ先】 沖為⼯作室合同会社(CHONG WEI GONG ZUO SHI, LLC) CEO:沖本真也 (Zhenye) 電話:050-5216-1908 メールアドレス:zhenye0903@chong-wei.com 中国BGI社はCOVID-19に関連し、自社の企業責任として、ゲノムのシーケンシングサービスを特別価格で展開しています。SARS-CoV-2の研究に焦点を当てたすべてのプロジェクトを支援するため、90Gbデータのサンプルあたり350ドルから提供することとしています。関連する研究を支援するとともに、BGI社にとっては貴重なデータが蓄積されます。 (BGI, 2020) また同社のシーケンサーのコア技術を担っていると見られる子会社のMGI社もBGI社とともに、活動を積極化しており、フランスの政府機関への支援を始め、多くの国に対して、ソリューションを展開しようとしています。この動きは一つの見方として、米中貿易摩擦にも通じる政治的なものがありますが、別の見方としてはすべての人に効果的で安価な医療ソリューションを提供しようとしているものがあります。 各企業における企業倫理は常にステークホルダーから審査を受けなければならない点は強調するまでもないことですが、“Affordable”であること、すなわち手の届く価格であることは、デジタライズされていく私たちの社会で重要な意味を持ちます。 (BGI, 2018) DNA解読技術は、近年になって驚異的な進歩を遂げ、現在、このシークエンス技術を提供する会社としては、BGI社の他にIllumina社、Thermo Fisher Scientific社、Oxford Nanopore Technoligies社、Qiagen社等がありますが、BGI社がコストの面で優位に立とうとしています。 またヒトゲノム解読とともに細菌ゲノムの解読も盛んになっています。こうした設備を持つ企業は人々からサンプルを入手することでデータのプラットフォーマーになることができます。医学的な見地で健康のアドバイスをする分析サービスも注目されており、日本でもメタジェン社が解析事業を行っています。先日、同社はFinancial Times と Statistaによって実施された調査「アジア太平洋地域の高成長企業ランキング 2020」で50位にランクされました(Kelly, 2020)。 マイクロバイオームについては多くの研究が行われており、マイクロバイオームと人間の健康の真の関係についてはまだ議論があります。言うまでもなく、これらの議論には当然、高度に専門化された研究リソースが関係していますが、大量のデータはすでに人的リソースを超えています。 ここに次世代医療が"Affordable"であるためのブレークスルーポイントがあると考えられます。 References BGI. (2020). COVID-19 Sequencing Solutions BGI. (2018). BGI Sets Its Sights on $100 Human Whole Genome Sequencing. Kelly, M. (2020, April 21). FT ranking: Asia-Pacific High-Growth Companies. Retrieved from https://www.ft.com/high-growth-asia-pacific-ranking-2020 |
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