2020年のCOVID-19の流行により、消毒に対する市場の需要は大幅に高まり、UVC LEDへの注目が高まっています。表面と空気の消毒に加えて、浄水はUVC LEDメーカーと家電ブランドの主要なターゲットの1つです。 コンパクトなサイズと設置の柔軟性を備えたUVC LEDは、給水器の排出口に取り付けて、飲料水の安全を確保できます。最近、多くの家電ブランドがこの技術を採用した新製品を発表しています。 LGはUVnanoテクノロジーを搭載した最新の冷蔵庫を発表し、台湾を拠点とするウォーターディスペンサーメーカーであるACUOもUVC LEDに基づく浄水モジュールを導入しました。 LGは、IFA2020でUVnanoを搭載した新世代のInstaViewドアインドア冷蔵庫を含む新しい冷蔵庫モデルを発表しました。この製品は、UV LEDテクノロジーを採用して、ウォーターディスペンサー排出口を1時間に1回(または手動でいつでも)消毒し、最大99.99%の細菌とウイルスを除去します。 一方、ACUOは、UVC LED浄水モジュールを開発するためのITRIとのパートナーシップを発表しました。 ITRIは、99.9%の消毒率を可能にする独自技術(axial projection design)を提供しました。 埋め込まれたLEDは、水の流れを検出すると自動的にオンになり、水が止まると機能を停止します。 このようにして、モジュールは最大50%の電力消費を節約できます。 TrendForceのリサーチマネージャーであるJoanne Wuは、UVC LEDメーカーが長年に渡ってUVCテクノロジーによる家電製品の開発に専念してきたと述べました。 技術が成熟し、COVID-19の流行により市場の刺激が高まったため、UVC LEDは2020年に急成長しています。技術の主要サプライヤーには、Stanley, Bioraytron, Nitride Semiconductor, Asahi Kasei, Lite-on, Everlight 、Sanan Optoelectronics等があります(Wu, 2020)。 なおTrendForce社のレポート「2020深紫外LEDアプリケーション市場とブランディング戦略」は、2020年のUV-C LED市場の主なトレンドについて議論され、アプリケーションと販売チャネルのクロス分析を提供している同社の人気レポートです。 ☟レポートの詳細 https://www.chong-wei.com/store/p10/uv_led.html#/ Reference(記事) TrendForce. (2020). UVC LED Technology Expand to Home Appliances for Water Purification. Retrieved from https://www.ledinside.com/news/2020/9/uvcled_home_appliances
台湾TrendForce社のLEDInside (LED市場調査部門)から最新レポート「2020深紫外LEDアプリケーション市場とブランディング戦略」が5月1日にリリースされます。当調査報告書によるとUV LEDは、価格の引き下げに依存しながら、市場に受け入れられようと努力を続けてきましたが、COVID-19(新型コロナウイルス)の影響で消費者の殺菌に対する意識が大幅に強化され、 旧正月以降、UV-C LEDメーカーの注文および問い合わせが劇的に増加しています。 UV水銀ランプは、光出力が高いという利点があり、主に学校や病院などの広いスペースでの殺菌用途で使用されています。一方でUV LEDはウォームアップ時間を必要とせず、水銀を含まないため、より安全かつ長い寿命で、より少ないエネルギーコスト、熱損失で、持続可能というメリットがあります。さらに、UV-C LEDは単一波長帯を使用し、光出力を向上させるので、照射に関しては比較的安全です。さらに、小型化された光源は、省スペースおよび表面殺菌という市場の要求に十分に応えることができます。
COVID-19(新型コロナウイルス)の影響を受けて、さまざまなUV-C LED製品が市場で注目されています。紫外線殺菌機能と組み合わせたバッグやボックス、マタニティ製品、トーチライトやその他ポータブル製品がUV-C LED市場の需要を押し上げています。 「UV-C LEDメーカーは、長年にわたって家電区分の領域の発展に取り組んできました。 UV-C LED技術が成熟し、大手ブランドにより受け入れられるようになってくれば、UV-C LEDはついに成長期に入ります。家庭用区分の市場と比較すると、UV-C LED製品の価格は商用アプリケーションにより受け入れられます。 UV-C LED技術が安定し、認知度が向上するにつれて、UV-C LEDは業務用のエアコン、表面殺菌や水殺菌分野で採用されていく可能性があります」と、TrendForceのリサーチマネージャーであるJoanne Wuは述べています。 さらに、車内の空気は食べ物の臭いやタバコの煙、香水、もしくは細菌やウイルスに影響を受けやすく、換気も弱いので、車内の空気は悪臭を放ち、乗客の病気につながる可能性があります。そのため、乗用車市場では、殺菌製品やエアコンにUV-C LEDを導入し、きれいな空気を作り出す計画です。 ここで語られる深紫外LEDにはUV-B LEDとUV-C LEDが含まれ、さまざまなアプリケーションが2020年に継続的に出現しています。しかし、製品品質に大きなばらつきがあり、市場はやや混沌としています。 最新レポート「2020深紫外LEDアプリケーション市場とブランディング戦略」は、2020年のUV-C LED市場の主なトレンドについて議論され、アプリケーションと販売チャネルのクロス分析を提供します。また家電、商業スペース、自動車分野、潜在的な浄水器分野をカバーし、これらのチャネルでのブランディング戦略を議論します。 さらに殺菌ライト、食品業界アプリケーション、漁業アプリケーション、園芸用照明、光線療法および硬化装置の市場動向と実際のケース分析も行われます。TrendForceはこのレポートによって深紫外 LED製品の開発と販売に関する包括的な理解を読者の方々にご提供いたします。 このレポートは下記の構成となっております。英語版もしくは繁体中文版でのご提供となります。弊社沖為工作室合同会社はトレンドフォース社とパートナー提携をしております。サンプルや詳細説明のご依頼等、お気軽にお問合せ下さい。 TrendForce 2020 Deep UV LED Application Market and Branding Strategies Release Date: 01 May 2020 Language: Traditional Chinese / English Format: PDF Page: 147 Price: USD 5,500 (Tax Excluded) Chapter I. UV LED Market Scale and Application Trend
External Module Design and Product Analysis 2020 Supply Chain Development and Potential Player List 2020 Supply Chain Strategic Alliance Analysis 3.4 Flowing Water Disinfection Market and Module Product Analysis
Optical Power Allowance Optical, Flow Field and Heat Dissipation Design Optical and Flow Field Coupled Design Cost and Performance Sterilization Rate vs. UV-C LED Optical Power Requirements UV Dose vs. Sterilization Rate
AquiSense Technologies VIEWTECH Shui Yi Bao QD Jason
日本を代表する自動車照明メーカーであるスタンレー電気が先日、トレンドフォース社の電話インタビューを受け、その内容が記事になって公開されています。この度、特別に許可を取り、その記事の翻訳を掲載させて頂きます。沖為工作室が直近で聞いた情報によるとこの記事に対する反響が高く、世界中から問い合わせがスタンレー電気株式会社に殺到している模様です。記事の元となる電話インタビューはトレンドフォース社のリサーチマネージャーのWu氏とスタンレー電気株式会社のチームマネージャーである百足氏との間で行われています。スタンレー電気社は自動車照明メーカーとして著名であると同時に、UV(紫外線)やIR(赤外線)LEDも手がけています。 同社は2019年に米ヘキサテック社を子会社化しており、窒化アルミニウム(AlN)半導体基板を利用した深紫外LED事業を強化しています。深紫外LEDは、「UV-C」とも呼ばれ、100~280nmの波長領域の光を発するLEDですが、新しい発見についてまだ議論ができる領域でもあります。スタンレー電気社はUVランプも持っており、すでに水殺菌用途などで採用されています。深紫外LEDにおいてもキラーアプリケーションとしてはこの水処理に関する紫外線殺菌市場があげられますが、コストハードルも高く、出力をあげて、ランニングコストで訴求する一方、水関連以外向けのアプリケーションも試みられています。そうした背景がある中、奇しくもCOVID-19 (新型コロナウイルス)により殺菌に関する市場に注目が集まっています。下からは記事の翻訳です。 LEDinside(トレンドフォース社のLED市場調査部門)は、スタンレー電気の百足氏に電話インタビューを行い、2020年のUV-C LED技術と市場動向の見通しを学んだことを非常に光栄に思っています。スタンレー電気のAlNベースのUV LEDは線形の電力性能を持ち、高い駆動電流を可能にし、高出力電力を実現しています。 同社の波長265nmのUV-C LEDはすで世界最高レベルの光出力50mWを実現しおり、米ヘキサテックを買収することにより、光出力200 mWを達成し、殺菌市場において大きなアドバンテージを得ることが近い将来で見込まれています。 (Source Stanley) 波長275-280nmのUV-C LEDと比較して、波長265nmのUV-C LEDは、細菌やウイルスの殺菌・無害化をする上でより優れた不活性化効果を持っています。深紫外LEDを用いた殺菌実験でも測定条件(菌種:大腸菌/出力:40mw/照射距離:100mm/照射時間:120sec)において、塩素による消毒が効かない水中の病原微生物クリプトスポリジウムの殺菌に265nmの波長の効果が高かったという結果が出ています。 Source: Stanley 百足氏によれば、スタンレーはすでに消毒および殺菌用途について問い合わせを受けています。 高出力UV LEDと水殺菌モジュールを提供できる同社は、インフラ市場や医療市場のアプリケーションもターゲットとしています。 これまで、水殺菌向けに流量として、2L / min、10L / min、100L / minのリアクターを開発しており、不活性化率は99.99%(4 Log)を超えています。 さらに日本、アジア太平洋地域、ヨーロッパの自動車OEM向けにもUV-C LEDを展開しており、車室内殺菌市場等も想定されています。
以上が記事翻訳です。水殺菌市場は水銀ランプによる殺菌がコストの面で優位性がありましたが、LEDに置き換えることができれば水銀フリーとなり、小型化もできるようになります。そのためブレークスルーが起これば、医療から環境、ICT分野まで幅広い分野において、市場を急速にペネトレイトしていく可能性があります。 |
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7月 2024
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