2021年11月25日(木)に新社会システム総合研究所殿主催セミナー「昨年12月に発表された『ECの電池規則案』と関連市場に与えるインパクト及びビジネスチャンス」で講演を行いました。 講演では電池規則案の背景から特徴、および市場に与えるインパクトの分析を行うとともに各社の電池規則案に対する反応を取り扱いました。
欧州OEMメーカーらはSoftware-Defined Vehiclesに向けた方針を打ち出しており、車両開発は従来型の機械工学からプログラム工学をベースにしたソフトウェア技術へ移行しようとしています。車両は、製品ライフサイクル全体を通じて、ソフトウェアのアップデートによって継続的に改善されるようになります。こうした車両開発の在り方におけるパラダイムシフトも踏まえた上での電池規則の在り方についても講演では触れさせて頂きました。 講演をご聴講頂いた皆様、運営を担って頂いた関係者の皆様に改めて深謝申し上げます。 技術情報協会社主催で「リチウムイオン電池のリサイクル、リユースの動向、課題と関連法規制」と題したセミナーで講演することが決まりましたのでご報告申し上げます。沖為工作室合同会社は第2部で講演予定です。 主催者殿ホームページ☟ www.gijutu.co.jp/doc/s_110404.htm 現在の中国NEV市場におけるEVバッテリーのトレンドとしては、コバルトフリーバッテリー、四元系電池と併せてリン酸鉄リチウム(LFP)などが注目されています。また安全性を高める技術として、断熱材やセンサーを用いた温度モニタリング技術なども用いられており、従来のバッテリーデザインに拘らない、総合的な技術ソリューションを展開していくことがトレンドになっています。
一方でEVバッテリーのリサイクル・リユースについては回収の方法や有効なルール作りも含めたスキーム作りが課題になっています。現実的にはEVバッテリーのリサイクルは手作業で行われているプロセスも多く、回収率や安全性が課題であり、ロボットの有効活用や新しい回収技術の研究も行われています。またリユース市場はアプリケーション開発が推し進められている一方で、回収したバッテリーのコンディションを確認するための試験方法や回収される多種多様なバッテリーを有効に制御していくことが求められます。 弊社の講演では中国の車載バッテリーやそのリサイクル、リユース動向、市場規模分析等について発表を行います。 なお講師紹介割引パンフレットでお申し込みいただくと、割引でのご受講が可能になります。パンフレットご希望の際は弊社までご連絡下さい。 沖為工作室合同会社 メールアドレス:support@chong-wei.com 電話:050-4560-2377 2021年7月に欧州連合は温室効果ガスの排出量を大幅に削減するために、さらに新しい目標を設定しました。グローバル市場全体も今後より一層、こうした厳しい環境規制の影響を受けることが想定されます。このトレンドはSDGs等を念頭に置いた環境問題とも連動しつつ、デジタル技術が社会を刷新していく流れの中で、新たな産業の創出をすることが21世紀の存在意義として認識されるようになってきていることも背景にあります。 現在EV市場を取り巻く環境はグローバルレベルでは米国ZEV規制や欧州CO2規制、中国NEV規制が進行しています。特に中国の新エネルギー車(NEV)市場は近年再び活気付いており、世界市場を牽引しています。また欧州市場においてもガソリン車を将来的に廃止にする方針を打ち出す国が相次ぎ、直近ではコロナ禍における政府の購入支援政策で記録的なEV販売増になっています。 BMWやVolkswagen等に代表されるドイツ自動車メーカーはバッテリーの内製開発に力を入れる方針を打ち出しています。これは究極的にはソフトウェア技術と連携させて、ネットワークで管理できる自動車作りが目指されています。ポルシェもバッテリーメーカーのCustomcellsとジョイントベンチャーを設立することを発表しましたが、CATLを筆頭にした中国バッテリーメーカーへの依存を減らすとともに、先述の内製開発を踏まえた動きとも呼応しています。またより重要なのは、ネットワークのセキュリティ管理を踏まえるとここでも欧米 vs 中国の安全保障の対立問題が召喚されてしまうことです。 (Volkswagen, 2021) オリンピックのスポンサーで企業が判断を強いられるように、21世紀型の技術革新は純粋にマーケットを広げようとする努力だけではなく、PoliticsとSocietyによる外部要因に対し、どのように立ち振る舞っていくかも問われてきます。こうした模範解答のない問題に対して、企業は最善を尽くしながらも失敗を恐れず、むしろ早く建設的な失敗を経験し、軌道修正を行い、先陣を切っていく勇気が必要になると考えます。 弊社では今後、水素産業も含めたカーボンニュートラル市場に注力していきます。 References Volkswagen. (2021). Power Day
技術情報協会が毎月発行している車載系技術雑誌「車載テクノロジー」の4月号に『中国自動車市場における車載バッテリーの市場動向と事業機会』として、分析を寄稿しております。 雑誌「車載テクノロジー」4月号の詳細は下記URLをご参照下さい。
https://www.gijutu.co.jp/doc/magazine/at_2021_04.htm 近年、自動車業界を取り巻く環境は激変しています。配車サービスやライドシェア市場の台頭は、車に対する消費者の意識を変革しようとしており、自動車の世界販売台数もここ数年、減少傾向にあります。グローバル化の浸透とともに都市化も進み、必ずしも自己所有の自動車だけが移動手段ではなくなってきていることがあります。一方でデジタル化が急速に進み、消費者のライフスタイルは、より便利なものを求めるとともに、時間の有効活用を志向するようになっています。 こうした文脈で捉えるとEV市場が目指しているものが、単にガソリン車の置き換えではなく、変わろうとしている消費者のライフスタイルに合わせ、よりスマートな形で消費者の利便性を高めることにあると言えます。例えばEV化を進める企業が同時に自動運転にも取り組んでいるのにもこうした背景が存在しています。 現在EV市場を取り巻く環境はグローバルレベルでは米国ZEV規制と欧州CO2規制、中国NEV規制がメインに進行しており、特に中国のEVを含む新エネルギー車(NEV)市場は近年再び活気付いており、世界市場を牽引しています。 (工信部, 2021) 欧州市場においてもガソリン車を将来的に廃止にする方針を打ち出す国が相次ぎ、直近ではコロナ禍における政府の購入支援政策で記録的なEV販売増になっています。また次世代バッテリー技術を巡る動向も活発化しており、例えばフォード社とBMW社は、全固体電池のスタートアップ企業であるSolid Power社に対して投資を行い、次世代電池への開発を強化しています。全固体電池はすでにトヨタ社が先行しており、グローバル規模での競争も活発になっています。 沖為工作室では2021年7月27日に市場調査分析レポート「車載リチウムイオン電池マーケットトレンド-2021版」を発行予定です。またこのレポートテーマに合わせ、セミナーでの講演計画もございますので、詳細はまた別途ご報告申し上げます。 References 工信部. (2021). 2021年5月汽车工业经济运行情况
2021年4月23日、新社会システム総合研究所殿主催の表題のセミナーで発表させて頂きました。ご参加賜ったご聴講者の皆様、並びに関係者の皆様に深く御礼申し上げます。特に発表後は多くのご質問を頂き、非常に関心の高いテーマであることを改めて認識させて頂きました。貴重な機会を賜りまして大変感謝しております。 また中国自動車市場のEV化にとって避けては通れない課題として、廃電池の問題がありますが、講演では実際に行われているリサイクル・リユースのユースケースを紹介しながら、どのようなアプローチで取り組もうとしているのかお話させて頂きました。特にこの課題については日本やドイツでのリサイクル・リユース体系も熱心に研究がされており、現在進行形でより効果的なマネジメントシステムの構築が議論されています。
さらに北京市人民政府事務局は、2021年3月に「近代的な環境ガバナンスシステムを構築するための実施計画」を発表。スマートシティーの文脈において、オンライン監視プラットフォームと組み合わせ、新エネルギー車の廃電池のリサイクルとリユースを推進していく計画も明らかにされており、IoT、クラウドコンピューティング、5Gなどのテクノロジーの包括的な統合の枠組みの中でもリサイクル・リユースが推進されていくことが期待されます。 新社会システム総合研究所社主催で「中国の最新EVトレンドと車載LiBリサイクル・リユースの最新動向」と題したセミナーで講演することが決まりましたのでご報告申し上げます。中国EVバッテリー市場はミリオンマイルバッテリーやコバルトフリー、四元系材料、LFPの再注目等で新たな局面を迎えています。一方で発熱問題や大容量化の課題を乗り越えるために、バッテリー材料で援用される化学技術は複雑化しており、留まることを知りません。ただそうした発展とは別に、変わらず普遍的な問いかけがあり、それはEV市場が将来的に引き起こす廃棄バッテリーの問題です。電気自動車の需要増加に伴い注目を集める車載用リチウムイオン電池のリサイクル・リユース技術ですが、使用済み電池をどのように活用・再生するのか、リサイクルの要素技術から、産業各社の取り組み事例、さらには中国における最新の動向・市場分析についてこのセミナーでは取り扱います。
お申し込み前に弊社にお声がけ頂けると講師割引のご案内ができますので弊社までご連絡下さい。 【セミナー概要(予定)】 日時 2021年4月23日(金) 14:00~17:00 新社会システム総合研究所社ご案内ページ☟ https://www.ssk21.co.jp/S0000103.php?gpage=21166 中国EVバッテリー市場はミリオンマイルバッテリーやコバルトフリー、四元系材料、LFPの再注目等で新たな局面を迎えています。一方で発熱問題や大容量化の課題を乗り越えるために、バッテリー材料で援用される化学技術は複雑化しており、留まることを知りません。ただそうした発展とは別に、変わらず普遍的な問いかけがあり、それはEV市場が将来的に引き起こす廃棄バッテリーの問題です。 (Cunningham, 2017) バッテリーはEVコストの多くを占めています。構成している金属は一般的にリチウム、コバルト、ニッケル、銅、アルミ、鉄が含まれています。金属以外も含めると成分は多種多様であり、リサイクルをするには分解していく作業が必要となり、廃棄バッテリーは劣化しているが故に危険も伴います。実際に2021年1月にもリサイクル事業を手掛けるCATL社傘下の湖南邦普循環科技(湖南省長沙市)の工場で爆発が発生しており、安全性への対策が急務となっています。 中国NEV用電池のリサイクル・リユース業界のコンセンサスは、リン酸鉄リチウム電池がカスケード利用に適している一方で、三元系バッテリーがニッケル、コバルト、マンガンなどのレアメタルの含有量が高く、リサイクル価値が高いということです。現状の三元系電池は安全性に一定のリスクがあることもエネルギー貯蔵発電所等での二次利用が躊躇われている要因となっています。 車載バッテリーは、一般論として7〜10年使用すれば蓄電容量が低下し、交換が必要になるとされています。2020年に走っている自動車であれば、2030年前後にバッテリー交換時期にさしかかります。そのときまでにリサイクル&リユース体制の構築が求められます。 References (Picture) Cunningham, W. (2017). For dead EV batteries, reuse comes before recycle. Retrieved from https://www.cnet.com/roadshow/news/for-dead-ev-batteries-reuse-comes-before-recycle/
2021年1月の中国NEV (新エネルギー車)の販売台数は179,000台となり、前年同月比で238.5%増加しました。記録的な販売台数を作った2020年12月ほどの数量はありませんが、1月としては例年にない大きな数量で、CATL社、BYD社、国軒高科社などのバッテリーメーカーは春節の間も生産を続けていた模様です。 (工信部, 2021) またコバルトフリーバッテリー、四元系電池と併せて昨今、リン酸鉄リチウム(LFP)が再注目されています。テスラ社もモデル3でリン酸鉄リチウム(LFP)をを採用しています。三元系と比較しても安全性が高く、コストメリットや耐久性があると考えられています。 またバッテリーのリユース市場ではリン酸鉄リチウム(LFP)を使用したリチウムイオン電池が安全性が高く、電力貯蔵システム用で優先的に使うことがコンセンサスになっています。リユース・リサイクルという観点からも注目されるトレンドです。 なお現在、中国のEVバッテリー市場とリサイクルというテーマで講演のオファーを頂いておりますので、詳細が決まり次第、改めてご報告申し上げます。 References 工信部. (2021). 2021年1月汽车工业经济运行情况
小鵬汽車(XPeng)は、2021年1月に6,015台出荷をし、月間最多台数を三か月連続で更新しました。小鵬汽車(XPeng)社はSUVタイプのG3とセダンタイプのP7を販売していますが、P7がより人気になっており、2021年1月31日現在、P7の累積出荷台数は18,772台になっています。同社は無料充電サービスも展開しており、現在100を超える都市に670か所の充電ステーションを展開しています。 (Xpeng, 2021) 小鵬汽車(XPeng)社は直近では自動運転機能「ナビゲーションガイドパイロット(NGP)」システムを実装していくことを発表し、テスラ社やNIO社の自動運転機能システムに追従しています。 全体として中国NEV市場は現状、息を吹き返していますが、NEVに対するリコールを含めた品質の問題も昨今、クローズアップされるようになっています。工信部では2020年にNEVの検査工程等を対象とした監査を行っており、関連企業の品質パロメーターに一貫性がないことを問題視するとともに、品質に対する意識向上を促す事態になっています。 数か月後に中国車載バッテリー市場概況をまとめた記事が雑誌に掲載されますので、またご報告申し上げます。 References XPeng. (2021). Record Monthly Deliveries
|
Author沖為工作室合同会社 Categories
All
Archives
April 2024
|